書評『情報処理 別冊 《特集》CGMの現在と未来』
本来なら、ブログ主が一生買うこともなかったであろう雑誌。
そもそも、そんな雑誌があるとも知らなかった。
その別冊である。
普段の号の特集をみてみると、
『ビッグデータがもたらす超情報社会』
とか
『初等中等教育におけるICTの活用』
とか。
いや、これ、ド文系の私にゃあ読めないw
でも一時期ネット上で、この本が話題になっていた。
こんなマイナー雑誌(学会機関紙?)で初音ミクを特集している、ということで。
しかも売れ行き好調で増刷までする異例の事態であると。
初音ミクの資料に飢えていたブログ主も、すぐアマゾンでポチっと買ってみた。
残念ながら初版本ではなく「第2刷」であった。
さて中身であるが、目次もなく、イントロでざっと雑誌の趣旨を説明したのち、下記5本の論文が展開される。
剣持秀紀(ヤマハ)
伊藤博之(クリプトンフューチャーメディア)
濱野智史(日本技芸)
剣持氏の論文を読めば、音声合成のテクニカルかつヒストリカルな知識が手に入るし、戀塚氏の論文を読めば、ドワンゴが果たした役割がよくわかる。
N次創作といった概念も含め、初音ミクの入門的知識を得るには、
なかなか役立つ一冊だ。
なかでも産業技術総合研究所の後藤氏の巻頭論文は胸熱。
いかに初音ミクが可能性に満ちた奇跡の存在であるのかが理知的に熱く語られる。
ブログ主がいくら初音ミクの可能性を叫んでも好事家の世迷いごとになるのだが、
頭のいい人が初音ミクを語ると、やはり一味違う。
同氏の論文のポイントは、後日「要約」としてアップする予定。
産業技術総合研究所って、普段は「プルシアンブルーナノ粒子を用いた放射性セシウム除染」とか、「有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術」とかを研究してる、超立派な国立研究所である。
そこの職員が目をキラキラさせて(想像)初音ミクを語ってくれるのは、
なんとも頼もしい限りである。